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離乳食・授乳・だっこの姿勢について

おっぱいをあげるときは、乳首だけを吸う『浅飲み』ではなく、赤ちゃんのお口全体でおっぱいをお口に含む『深飲み』であげることによって、舌だけでなく、ほっぺたやあごなどお口周り全体の筋肉を使って飲むことができます。そうすることで、お口の周囲筋が鍛えられ、離乳食に移行する際、上手にお口を使うことができるようになります。また、赤ちゃんの両頬がママのおっぱいと平行になるような位置にすることもポイントです。

姿勢も下のような、背中を突っ張ったり、反らせたりするような姿勢ではなく、上の写真のよう、ママの身体にピッタリと沿うように(くっつくように)背中をCカーブにした姿勢で哺乳することが大切です。(哺乳瓶でミルクをあげるときも同様です。)

しっかり赤ちゃんとアイコンタクトがとれるよう意識してあげることも大事です!

くちびる全体でおっぱいをふくみます

乳首だけをくわえています

哺乳期は、離乳食を始める練習期です。お口全体を使う授乳をしていると、食べ物を口内に入れたときに様々なお口の機能を駆使して食べようとします。ただ単に流動食のようなものを喉でゴクンと流し込むだけでなく、舌と上顎で押しつぶしたり、お口の中で食材を移動させて唾液と混ぜ合わせたりします。その動きはお口の機能をしっかりと育てます。

離乳食を始めるタイミングは月齢ではなく、赤ちゃんの発達に応じて進めていくようにします。

開始は、下(左)の写真のように、上半身を自身の両腕に体重を乗せしっかりと支えられるようになった時とします。右の写真のように腕の力がまだ弱く、自身の身体を支えられないうちは嚥下することが難しく、誤嚥してしまう可能性が高いです。離乳食を焦ることよりも、腹ばいの姿勢でたくさん遊び、赤ちゃんの身体の発育を促すよう関わることをお勧めします。

座り方もとても重要です。上の写真(左)はしっかりとあぐらをかき、お尻に上半身の体重をかけ、体幹が安定しています。一方で、右の写真は脚がピンと伸び、上半身が不安定なため、食事をするときに誤って飲み込んでしまったり、なかなか飲み込めなかったりということが起こりやすいです。
自座位(ベビーソファーやハイチェアーなどを使わず、自分の力だけで座れること)ができるまで離乳食を待つか、もう始めてしまうときにはママのあぐらの中にあぐらをかいた赤ちゃんを座らせて、ママの胸やお腹で、赤ちゃんの背中をサポートしてあげましょう。

離乳食の練習として、最初は繊維性の野菜を噛み噛みして自分の唾液(ツバ)を飲み込む練習をお勧めします。上の写真(左)のように、誤って飲み込んでしまうことのないような、引きちぎりにくい野菜を自分で持てる大きさにカットして、歯固めの代わりに持たせてあげることで、青臭い野菜の風味にも慣れてくれ、離乳食開始時、野菜を受け入れやすくなります。

また、離乳食開始時はドロドロした流動食ではなく、柔らかく蒸した(茹でた)固形物を自分の手で持てる、かつ、お口の中に一口で入れてしまえない大きさ(噛みちぎる必要のある大きさ)のものにします。それらを2種類ほど出してあげましょう。そうすることで、お口をしっかり使ったことによる顎の成長が期待できるだけでなく、自分で選ぶ自主性や目と手と口の協調運動にもなりますし、自分で握ったりつまんだりすることによって 飛び出た大脳ともいわれる手先をたくさん使うことにもなります。赤ちゃんにとって良い刺激がたくさんの手づかみ食べをぜひ実践してみてください。

この手づかみ食べはさくら・さくらんぼ保育(アクティビティページ参照)でも実践されているだけでなく、イギリスでは BLW=「Baby Led(赤ちゃんに任せる、自ら行う) Weaning (離乳)」と呼ばれとてもポピュラーなんです。豆腐やヨーグルトのようなもの、更にはスープまでも自分で食べるのを見守るというのだから驚きです。ママの中には、どうしても抵抗があり、スプーンであげたいものがある方も多いかと思います。そんな時に参考にしていただきたいのが上の写真です。

まだ座れない赤ちゃんは写真のように脚までしっかり抱えて片腕で抱きかかえます。この時ママの太ももに乗せてあげましょう。汚れてもいい服装で、赤ちゃんが手を出してきても、手を抑えたり注意したりしないようにします。(意欲の減退、食に対する興味の消失につながる恐れがあります。赤ちゃんの『自分で!』の気持ちをできるだけ尊重したいですね。)

また、スプーンの角度もコツがあります。お口の中にグイグイ押し込むのではなく、スプーンをお口の手前まで持っていきお口が開き含むまで待ちます。お口にスプーンが入っても、上くちびるになすりつけて引き出すのはやめましょう(写真右)。赤ちゃん自身がくちびるの力を使ってスプーン上の食材をとらえ、キュッとくちびるの力を入れて自分が後ろに引かないと、食べ物はお口の中に残らないということを学習するためです(写真左)。そういった動きを重ねていかないと、くちびるの力が弱く、いつもお口がぽかんと開いてしまう【口呼吸】へとつながっていきます。

番外編として、抱っこひもの姿勢もご覧ください。これらも先に述べた【口呼吸】と大きく関係があります。上の写真(右)はよく見られる光景ですが、赤ちゃんの頭が後方に倒れ、顎が上がっている姿勢では、口がぽかんと開いてしまうことが多く、本来舌が接着すべきところにできにくい環境におかれてしまいます(舌は上顎にぴったりとくっつくのが正常です)。当院ではそういったことや姿勢発達への影響も含めて、写真(左)のスリングように赤ちゃんの顎が引かれている状態で、お口が閉じる姿勢になるような抱っこひもをおすすめしています。

このページの内容は赤ちゃん歯科のほんの一部であり、お子さんの個性も、ママのおかれている環境もそれぞれ違います。ひとつだけいえることはどのママも、お子さんには【健康で元気に、そのためにできることはしてあげたい】という願いが共通しているということです。そのためにできることを、私たちと考えてみませんか?お子さんの今の状態と個性、ママの環境にあわせた、オーダーメイドのアドバイスを行っています。ぜひ一度、赤ちゃん相談会へいらしてください。